みんなが受け入れられる合意形成を。3+αのミーティングの進め方
ミーティングで参加者全員が受け入れられる「結論」になかなか行きつけなくてお困りの日本全国のみなさま、こんにちは。@stayfoolish.comです。
- 長い時間を掛けてミーティングしたのに、アクションアイテムどころか結論さえ出なかった
- 結局…声の大きい人の意見がミーティングの結論になっちゃった
- もーー、どうやったら皆が受け入れられる結論を導き出せるのか…わっかんねーー
今回の記事では、上記のようなお悩みを抱えたあなたのために、僕自身がミーティングの場で使っている「合意形成のための3つ+α」のやり方をご紹介します。
この3つ+αのやり方で、ミーティングの効率や成果、そして結果が少しでも改善されれば僕も嬉しいです。
じゃっ、そんな感じでゆるーりと初めてみましょう。
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ファシリテーションにおける合意形成スキルの位置づけ
ファシリテーションで必要と言われている4つのスキルのなかで、合意形成スキルの位置づけは下記のとおりです。
ご覧のとおり、サイクルの中で一番最後に位置します。
ミーティングが始まる前や会議の最初にそのミーティングの目的やアジェンダなどを設計/共有することで場をデザインするスキル。
ミーティング中に参加者の発言を聴くことに集中することで、受け入れて、そして相手の意見や価値観を聞き出す対人関係のスキル
聞き出した意見やその理由を元に、その場の雰囲気を要約して参加者全員に見える/理解できるようにする構造化のスキル
(ご参考までに、サイクルの中で一番最初の「場をデザインする」で利用できるシンプルでとても使いやすいフレームワークを知りたい方は下記も御覧ください)
効率が良くて、皆が納得感を得ることができて、効果的なミーティングにするためにはどれも欠かせないスキルですし、これらのことがちゃんと出来ていれば「合意形成」も比較的やりやすくなります。
・・・ですが、とは言っても難しい、この合意形成。
一言に合意形成といってもいくつかのレベルがあるのはご存知でしょうか?
合意形成の6つのレベル
・・・はぁ、、、しょうがないから受け入れるよ。ってか受け入れるしかないんでしょ。
的な合意形成のレベルから…
そうそう!これだよ!!よっしゃーー、やったるぜ〜〜!!!
的なレベルまで。
そうです、一言に合意形成といっても実は合意形成には下記の6つものレベルがあるのです。
- 独断
- 説得
- 折衷案
- 多数決
- コンセンサス
- 完全合意
あなたならどのレベル以上を目指したいですか?
ちょっと考えてみてください。
・・・
・・
・
別に答えがある訳ではないのですが、コンセンサス以上であれば「参加者が、ミーティングの結果を納得して、受け入れられるもの」になるのかなと思います。
以降で紹介するミーティングの進め方では、この「コンセンサス」に達することを目指したものです。
ミーティングの進め方 〜その1 投票〜
多数決よりも、コンセンサスに近づきやすい投票。
投票といっても、上の写真のようにBoxに票を入れるようなClosedなものではありません。
投票をする際のコツとしては下記のとおり。
- 見える化
- 理由を共有する
- 2回投票する
それぞれのコツについて、詳細を見ていきましょう。
見える化
この見える化というのは、投票結果の見える化のことです。
つまり。
誰が、どの案に投票しているのか?
について、参加者全員に見える形にしたほうがよいでしょう。
理由を共有する
投票の2つめのコツは…
投票者全員が、それぞれ、何故その案を選択したのか?という理由を共有することです。
これによって、ミーティング中に口数が少なかった人の意見を聴くことができたりしますし、投票者の根底にある価値観がチラチラと見えてきたりもするものです。
そうすることによって、今まで出ていなかった更に素敵な案が出てきたり。
今までは違う案だと思っていたものを一緒にすることができると気づけたり。
そんなメリットが出現してくることもあります。
2回答票する
さて、投票するの最後のコツはこれ。2回答票するです。
どういうことかと言うと、1回目に投票した後に、参加者全員で理由を共有します。
理由を共有して、前述のように新しい案が出てきたり、複数の案が一つに纏まったりしたら再投票します。
・・・
仮に、そうでなくとも、つまり新しい案がでなくても、複数の案が一つに纏まらなくても、2回目の投票はしたほうが良いです。
先にも書きましたが、投票の理由を共有することで、意見が変わるかもしれないからです。
自分が「それを選択した理由」をみんなに聞いてもらえて、その上で違う案になったとしても、理由も聞かれずに別の案になるのとでは…ね? 納得感、違いますよね?
投票時にこれらの3つのコツを抑えることで、合意形成のレベルを上げることができるのは間違いないでしょう〜♫
ミーティングの進め方 〜その2 ファイブフィンガー〜
次の合意形成のやり方は、その名も「ファイブフィンガー」。
これもとってもシンプルで使いやすいのになかなか強力です。
五本の指を使って、ある案に対する合意の段階を表明してもらう進め方で「賛成」と「反対」のいずれかに投票してもらうのではなく、賛成や反対の段階に応じて投票してもらいます。
具体的には、いっせーのせ!の合図などで皆に指の本数を使って意思表明してもらいます。
- 5本指: 全面的に賛成
- 4本指: どちらかと言えば賛成
- 3本指: どちらともいえない/みんなに任せる
- 2本指: どちらかと言えば反対
- 2本指: 絶対に反対
これも、先の投票と同様に「何故、その段階を選択したのか?」という理由についても共有するのがよいでしょう。
そして、これも大事。
意思表明とその表明理由を共有した後には、その背景にある懸念点を見つけ出しましょう。
ミーティングの進め方 〜その3 意思決定マトリクス〜
さてさて、お次は意思決定マトリクスです。
これは「案 X 評価軸」のマトリクスのことで、案も評価軸も皆で考えていくのがおすすめです。
最初に案も評価軸も、ファシリテーターが用意するよりも「皆で考えた!」って思えるので。
案 | コスト | 手軽さ | アクセス | アクティブ度 |
---|---|---|---|---|
サーフィン部 | ☓ | ☓ | ☓ | ◎ |
ファシリテーション部 | ○ | ○ | ◎ | ☓ |
ウォーキング部 | ◎ | ◎ | ◎ | ○ |
みたいな感じのマトリクスを皆であ〜だ、こーだ言いながら作って、例えば「◎」は3点、「○」は2点、「△」は1点、「☓」は-1点とかで採点する感じ。
特定の評価軸だけ、重みをつけたりするために評価点を2倍とかしてもいーですね。
ミーティングの進め方 〜プラスα 気がかり〜
最後に上記までで紹介してきた、どの進め方にも組み合わせて使える方法。
気がかり。
これはある案に決まったとして、なんとなく「良くない雰囲気」や「まだなんかもやもやしている雰囲気」を感じた時に使える方法で、決まった案について気がかりなことを洗い出していく進め方です。
例えば、上述の意思決定マトリクスで「ウォーキング部」に決まったとします。
そうしたら、ウォーキング部をやるに向けて気になること、心配なことについて、先ずは解決案を無視して洗い出すのです。
ここでのコツは、一旦、解決案のことは忘れて「気がかりなこと」を目一杯洗い出してください。
例えば、こんな感じ。
- メンバーの住まいが離れているので、どこをウォーキングするかを決めるのが困難かも?
- ただ歩くだけだと継続のためのモチベーションが維持できるかちょっと心配
- 雨の日って活動するの?
・・・など、など、なんでも良いので気がかりを洗い出します。
気がかりなことを洗い出した後は、グルーピングしたりしながら、解決案を考えていくとよいです。
一度、決まりかけた案について「気がかり」なことを洗い出して、その解決案をみんなで考える。
やってみると、より実感できると思うのですが、より具体的なところまで話をつめることが出来て、なんというか、みんなの意識が「よし、やるぞ!」という方向に向かっていくのが手に取るようにわかります。
超、おすすめな方法なので、ぜひぜひ、お試しあれ。
・・・
さーて、本日のところはこんな感じ。
それじゃー、またお会いしましょう♫