STAY-FOOLISH.COM

インターネット業界に居るのですが、情報収集ばかりで、”発信” 出来て無いなぁと思い、一念発起してみました。

お薦めの【アジャイル・スクラム本】16冊を学習レベルごとにご紹介

      2022/12/15

ad_kijishita_pc

スポンサーリンク

learning@Anne Davis 773/https://goo.gl/yvpyUb

これからアジャイル(主にスクラム)な開発を始めてみようかな…
アジャイル(主にスクラム)、やってるけど、もっともっと上手に出来るようになりたいな…

なーーんてお考えの学習意欲に溢れたみなさま。こんにちは、@stayfoolish.comです。

僕がアジャイル関連のトレーニングや講義的なものを開催させていただいたり、IT系、非IT系を問わずアジャイルなチームを支援させていただく現場で、よく質問されるのが…

@stayfoolish.comさん、もっと自分でも勉強したいので、お薦めの本を教えてよ」

です。

僕がいくらトレーニングや講義的なものを開催させていただいて、いくら熱心に聞いてくださったとしても、たくさんある先人たちの知恵がたーっぷり詰まった良書を読んで得る知識にはとてもじゃないけど勝てるものではないし(まぁ、僕の話を聞いてやる気になってくださるのはとっても嬉しいのですが)。

このようなご質問をしてくださる方には、最高の良書をご紹介して、もっともっとアジャイルになっていただけると良いなぁ〜♫

っと思ったので、僕が読んだ書籍の中からこ・・・これはっっ!!っという書籍をピックアップしたので紹介したいと思います。

なんと…

その数、16冊にもなってしまったのですが、これ以上は絞ることができませんでした。

でもご安心を。

独断と偏見ではございますが、なんとなーく下記のような学習レベルごとに別けて紹介させていただきます。

  • これから始める人にお薦めしたい5冊
  • 既に始めてるけど色んな困ったがある人にお薦めしたい5冊
  • 更にレベルアップしたい方にお薦めしたい6冊

それでは、早速いってみましょう〜〜♫

スポンサーリンク


    

アジャイル(主にスクラム)をこれから始めようと思っている人にお薦めしたい5冊

スクラムガイド(無料PDF)

なんといっても、スクラムの公式なルールブックで、インターネットから無料でダウンロードすることができて、本編で15ページほどのボリュームで、スクラムとは何か?スクラムで大切にすべき価値観とは何か?的なところから、チーム全員が最低限守るべきルールがシンプルに記載されています。

スクラムでやってまーすと言っているのに、これを読んだことがない人は…居ないと信じたい。

読んでみたい方はコチラからどーぞ。

始める前にはもちろんですが、経験がある人も、今やってるよ!という人も、たまに読み返してみると、その時々で新たな気付きなどの恩恵を受けることが出来ると思いますよ。

塹壕よりScrumとXP(無料PDF)

実際にスクラムを導入した会社がチームでScrumとXPを実行し、その後約一年にわたってプロセスを改善していった方法を物語形式で記載しています。さらっと読めて「Scrumでやるってこんな感じか〜」って、雰囲気を掴める本です。

計画のやり方、タスクリストとなるスプリントバックログの取り扱い方からふりかえりのやり方など、Scrumにおける具体的な進め方の話から、技術的なプラクティス(テストのやり方など)をどう組み合わせていくか?というXPのプラクティスの話までをワクワクしながら読める感じだと思います。

こちらも無料なので、迷わず読んでおきましょう。

読んでみたい方はコチラからどーぞ(あ、会員登録が必要になります)。

アジャイルサムライ

随所で、師匠と弟子の会話形式でのQ&Aがあり、これまた現場で実際に起こりがちなテーマが採用されていてるところもオススメポイントです。

ボリュームが少ない割に、アジャイル開発の実践的なことが書かれており、シンプルながらも本質的でとっても読みやすいです。

また、実践的なやり方の部分のみならず、だいじな大事な「心構えやアジャイルではどのように考えるか?」という価値観的な部分にも触れられており、とてもバランスの良い本という印象です。

また、アジャイルなアプローチにおける「プロジェクト憲章」的な位置づけであるインセプションデッキについての記載が50ページほどさかれており、インセプションデッキを作ることの効果、進め方を丁寧に説明してくれてます。

アジャイルになりたいよー。でも具体的にどうやれば良いのかが分からないよ。

っというそこのあなたに超絶お薦め出来る本です。

先ずは「スクラムガイド、塹壕よりScrumとXPとこのアジャイルサムライ」の3点セットを読んで、気になったキーワード(もっと深く、アジャイルな見積もりと計画のやり方を学びたいとか、ユーザーストーリーを収集する方法をもっと詳しく知りたいとか、Scrumについてもっと知りたいとか…)にあわせた本を読みすすめていくという流れが良いと思います。

エッセンシャルスクラム

この本はスクラムやるなら必須の本だと思います。

本当はチーム全員が読んでいれば理想的なのでしょうが、まぁ、あまり現実的では無いと思うので、最低でもチームのスクラムマスターは読んでいるべき本でしょう。

先に紹介した「スクラムガイド」がスクラムのルールブックだとしたら、このエッセンシャルスクラムはスクラムの参考書のような位置づけとなる本だと思います。

著者もこの本の中で下記のように言ってます。

チェスを初めてプレイする人にルールの説明書(スクラムガイドのこと)を渡して、まともに指すことを期待するようなものだ。「スクラムガイド」だけでは足りないのである。

スクラムについて網羅的にかつ、詳細に記載されています。

スクラムの各イベントの”目的”や、技術的負債の返却方法、短期間スプリントの利点、タイムボック化の利点から各役割に求められるスキルや、一日をどう過ごしているか?など。

知りたいことがてんこ盛りな超良書です。

エクストリームプログラミング

アジャイルなアプローチの方法の一つである「エクストリームプログラミング(XP)」の発案者”ケント・ベック”による本です。

XPはスクラムととても相性が良いと言われてますし、スクラムとXPを組み合わせて使うのが最近のトレンドです。

この本では、価値と原則とプラクティスの関係から、XPのプラクティスについての詳細な説明まで、徹底的にXPについて紹介してくれています。

スクラムで進めると決めている方は、スクラムでは定義されていない下記のようなXPの技術的プラクティスの章だけでも読んでおくと良いでしょう。できれば、スクラムチーム全員が読めるよう読書会など開催できると最高だと思います。

  • ペアプログラミング
  • 継続的インテグレーション
  • テストファーストプログラミング
  • インクリメンタルな設計
  • インクリメンタルなデプロイ
  • コードの共有
  • 単一のコードベース
  • デイリーデプロイ

これ以外の章もも読んでおくと絶対に損は無い内容で、特に「価値と原則とプラクティス」の関係を記述してある章などは、いずれは読んでおくべき珠玉の内容だと思います。

   

アジャイル(主にスクラム)でやってるけど色んな困ったがある人にお薦めしたい5冊

スクラム現場ガイド

こちらは、主にスクラムマスター向けの必読書だと思います。

サブタイトル(かな?)にもあるとおり「スクラムを始めてみたけどうまくいかない時に読む本」です。

こちらも良書中の良書♫

下記のような悩みを抱えた方は、ぜ〜〜ひ、読んでみると良いでしょう〜。

  • スクラムマスターを専任でやることの意義を偉い人にうまく説明しきれない
  • デイリースクラムがなんかイマイチ。もっと効果的にやりたい
  • 今のスクラムチームの文化に合わないメンバーを偉い人が入れようとする。どう対応しよう?
  • プロジェクトのコストを事前に算出したい
  • ドキュメントを何時?どのように?作っていけば良いのか?を知りたい
  • 偉い人が「オフショア化」を決めた…どう対応しよう?

などなど、実際にスクラムで進めていくと、遭遇する確率の高い各種課題について、その課題をどのように捉えて、どのような対応方法を選択するのか?を考えるときにとても有意義なヒントを貰えることと思います。

もし、スクラムを始める前にこの本を読める人が居たら、それはとても幸運なことだと思います。

それぐらい「ある!ある!!」な課題について「物語 → モデル → 成功の鍵」という流れで詳細に記載されています。

アジャイルな見積りと計画

主に、プロダクトオーナーとスクラムマスターに読んで欲しいこの1冊。

この1冊あれば、アジャイルな見積りと計画づくりに必要な心構えから具体的な方法まで、ミッチリ!網羅的に!把握することが可能だと思います。

心構え的に僕が一番感銘を受けた言葉は下記です。

私たちは、いまここで分かっていることを元に計画を立てます。あなたにとって一番大事な目標を達成できるように、私たちは計画を変更します。プロジェクトが進んで新たな知識を得たら、それにプロジェクトと計画を適応させます。私たちからあなたへのお願いは、ビジネスの変化へ柔軟に適応することと、当初の計画を死守することとは矛盾した要求だと、きちんと理解しておいて欲しいということです。

アジャイルマニフェストにもあるとおり

計画に従うよりも、変化への対応を

なぜ、変化への対応により重きをおくのか?

変化に対応するため、どのように見積もりをすれば良いのか?

変化に対応するために、どのように計画を立てれば良いのか?

っということが、もーーー、これでもかっっ!!というぐらい説得力あるロジカルな感じで丁寧に説明されています。

非常に実践的なやり方が解説されているため、進行中のプロジェクトですぐに実践することが出来ると思います。

僕は、従来型のアプローチで開発チームのマネージャーをやっていて、でも「計画づくりや見積もりについて、自分がやっていることにイマイチ自信が持てなかった」過去の自分にこの本があれば。と強く強く思いました。

この本を読んで、見積もりや計画づくりについて…

やっと答えが見つかったぜ!!

と、大興奮したことが、今でも強く心に残っています。ぜ〜〜ひ、ご一読を。

アジャイルレトロスペクティブズ

業務の経験をインプットとして、それの「ふりかえり」を行い、次のステップをもっと素敵にするための具体的な方法について説明された本です。

経験的・実験的なアプローチであるスクラムにおいて、自分たちのプロセスを改善していくためのとても大事なだいじなイベントである「スプリントレトロスペクティブ」。だけどうまくファシリテートするのはとても難しいし、マンネリ化してしまいがちなイベントです。

この本は、スクラムマスターなら絶対に読んでおくべき良書だと思います。

ボリューム的には150ページ程で、前半の40ページ程で、ふりかえりの流れに沿った進め方を紹介し、その後の100ページ程で、流れ毎に使えるアクティビティを紹介してくれています。

自分のファシリテートの仕方を見直して新たな試みを導入するヒントにもなるでしょうし、少しマンネリ化してしまった、いつものふりかえりを変えるためにアクティビティのアイデアを得ることも出来る、超絶に素敵な本です。

この本を読んで、もっともっと楽しい「スプリントレトロスペクティブ」を。

もっともっと、効果のある「スプリントレトロスペクティブ」ライフをお過ごしくださいまし〜♫

これだけ!KPT

ふりかえりの手法として、日本では大人気のKPT。

そのKPTのやり方を、KPTの神と言われる天野さんが丁寧に説明してくださってる良書です。

チームで仕事をしている、すべての人たちにお薦めの本ですが、こちらもスクラムの役割でいうとスクラムマスターは絶対読んでおいた方が良いでしょう。

なんとなくKeepを出して、なんとなくProblemを出して、Tryを決めて。

っていうやり方でもそれなりに効果はあるのでしょうが、この本には、KPTの効果を最大化するための珠玉のコツがこれでもかーってほど掲載されています。

これまでなんとなくや、見よう見まねでKPTをやってきた方も、これが本当の手順だ!確かにこうやればもっと効果的な「スプリントレトロスペクティブ」が出来るな!と強くうなずきながら読んでしまうこと間違いなしです。

こちらも超絶お薦めの素敵な本ですー。

ユーザーストーリーマッピング

スクラムでは、プロダクトバックログがあることが前提となっています。

なので、スクラムガイドを読んでみても「どうやってプロダクトバックログを作ればよいか?」ということについては触れられていません。

この本は、プロダクトバックログの作り方として使える「ユーザーストーリーマッピング」の生みの親である ”Jeff Patton” が、惜しみなくそのノウハウを描き下ろした本です。

プロダクトオーナーには必須の本だと思います。

この本を読めば、チームのみんなを上手に巻き込みながら、素敵なプロダクトバックログの作り方がわかるでしょう。

課題について良く知ってる人(システムの利用者)と、その解決策について知ってる人(エンジニア)とのコラボレーションこそが大切。それにより、本当に価値があるプロダクトが生み出される。
そうする為には、システムの利用者の行動や課題について、会話を通して理解を深めるべきなのだ!

というメッセージを発信しているこの本。

素敵なプロダクトを生み出したいのじゃ!と願うプロダクトオーナーはもちろんのこと。

忙しすぎるプロダクトオーナーを支えたいぞ。と強く願うスクラムマスターにもお薦めの良書です。

   

更にレベルアップしたい方にお薦めしたい6冊

アジャイルコーチング

この本は、レイチェルとリズという2人にアジャイルコーチが、活動の実績を元に現場で起こり得る様々なシーンについて、アジャイルコーチとしてどのようにすれば良いか?をアドバイスしてくれる本です。

チームをもっともっと上手にサポートしたいと思っているスクラムマスターや、アジャイルチームをサポートする立場にあるマネージャー・偉い人にもお薦め出来る本だと思います。

本の流れとしては「アジャイルコーチがやるべきことの全体像」から始まり、現場における状況毎にコーチとしてどのように支援するか?(計画作り、品質確保、ふりあけりなど)という感じです。

その流れの中で…

  • 具体的な傾聴のコツ
  • チームの一員として働くためのコツ
  • フィードバックの仕方
  • 質問の仕方
  • 対立の解消の仕方

などなど、コーチングに役立つスキルの具体的な方法について記載されて、とてもいい感じです。

また、アジャイルコーチ自身のメンタルのケア方法や、コーチとして活動する人への、心が温まって勇気が出る「応援メッセージ」も随所に散りばめられていて、もーなんというか…この本を読んで自分自身がコーチングを受けているような感覚を受ける良書です。

組織パターン

この本は、既存の複数のプロジェクトから「これはこういうシチュエーションに対して有効だ!」と言うことがわかった対応策を抜き出したパターンを抽出したものです。

この本で紹介されるパターンは、スクラムをはじめ、様々なアジャイルなアプローチのベースとなっていると言われています。

なので、スクラムやその他のアジャイルなアプローチについて、もっと深く探求したいという方。

主に、アジャイルコーチやスクラムマスターとして、支援しているチームに現れる様々な問題について、もっともっと強力に支援したい!そんな方には特に超絶お薦めの良書です。

例えば、この本の中で紹介されているパターンの中で紹介されている

門番

というパターンがあります。

これは、「チームやその周辺にいるステークホルダーにとって、役に立つ情報が効率的に流れるようにするためのパターン」です。

このパターン、スクラムの役割で思い当たる役割はありませんか?

他にも、スクラムのこの役割の背景には、こういう組織パターンがあったんだ〜〜!とか…

このパターン、今のチームに適応してみたらいいかも!

という珠玉の内容が盛りだくさんです。

ぜひぜひ、ご一読を〜♫

あなたのチームは機能してますか?

こちらは、チームを強くしたい!と願うスクラムマスターにぜひとも読んでいただきたい良書です。

別記事で、この本の概要や感想を書いてるので、コチラをどーーぞ。

ひとつだけ、この本で特に特に、印象に残っている言葉をご紹介。

組織のすべての人間に同じ方向を向かわせることができれば、どの業界でも、どの市場でも、どんな競争相手に対しても、どんな時でも、圧倒的な優位に立てる

小さなチーム、大きな仕事

こちらもスクラムマスターに読んで欲しい良書です。

こちらも別記事で、この本の概要や感想を書いてるので、コチラを参考にしてみてください。

スクラムマスターとして、超絶に参考になる心構えや考え方などが詰め込まれた素敵すぎる本です。

リーン開発の現場

この本は、官公庁の大規模システム開発プロジェクトでの経験に基づいての理論だけでなく、現場で実際にどのように適用するかを、カンバンシステムを軸にした生生しい現場での具体的な進行の様子が書かれている良書です。

ボリュームとしても200ページ弱だし、ストーリー的に書かれているので、サクッと読めちゃいます。

スクラムとは異なる、アジャイルなアプローチ(リーン開発)での話ですが…

  • 緊急の課題(運用中システムの不具合など)へのアプローチ方法
  • タスクカンバンをもっと強力な見える化ツールにする方法
  • プロダクトバックログアイテムを「Ready(開発準備完了)」にするための方法
  • 問題の真因の探り方
  • バグや技術的負債に対するアプローチ

などなど、スクラムでやっているチームにも非常に参考になる内容が散りばめられています。

カンバンについてもっと知りたいよ。そしてカンバンのノウハウをスクラムにも活用したいよ!

っと考えるアジャイルコーチやスクラムマスターに、とって、まず最初に読むべき本としてとってもお薦めです。

この本を読んで、更に深く「カンバン」について知りたいという時は、後述する「カンバン仕事術」を読むと良いでしょう。

カンバン仕事術

この本で一番印象に残っているのはなんと言ってもこれ。

始めるのを辞めよう!終わらせることを始めよう!

この本では「今やっているやり方を見える化」 し、そこから改善していくための具体的なやり方とその効果について学ぶことが出来ると思います。

そうです、今やっているやり方を変えるところから始めるのではなく、今やっているやり方を見える化するところから始められるのがポイントです。

この本のタイトルにもなっている「カンバン」は、トヨタ生産方式の一部である「かんばん方式」が源流で、スクラムとは異なるアジャイルなアプローチなのですが、スプリントバックログをアナログボードで運用しているチームであればカンバンのノウハウを流用できることでしょう。

原書は「Marcus HammarbergとJoakim Sunden」という方によるものですが、とても分かりやすい翻訳となっており、違和感を感じることなく読むことができると思います。

300ページ程のボリュームで、読みながら考えさせられることも多く、ちゃんと腰を据えて読む必要がある本だと思いますが、チームが更なる高みに行くことを支援したいと思っているスクラムマスターは読んでおくといいでしょう。

 - チーム作り, 企画・プロダクト開発 , , , , ,